フッ素塗布法による違い

歯科医になってから、ずっと疑問に思っていました。
いえ、誤解されそうなので前もって言いますと「フッ化物はう蝕予防に非常に効果的」です。今回は「ちょんちょん塗布法」に効果はあるのかというお話です。

今回は少し専門的な話で歯科衛生士、歯科医師向けのお話かもしれません。

現在行われているフッ素塗布法は
 knutson JWによる
 Sodium fluoride solutions; technic for application to the teeth.
 J Am Dent Assoc. 1948 Jan;36(1):37-9.
に掲載された方法(2%NaF溶液塗布法)
もしくは
 Brudevold Fらによる
 A study of acidulated fluoride solutions. I. In vitro effects on enamel.
 Arch Oral Biol. 1963 Mar-Apr;8:167-77.
に掲載された方法(APF pH3.2溶液塗布法)

を参考にされているものと考えられます。

knutson JWらの論文に記載されている2%NaF溶液塗布術式をご紹介しましょう。
1歯面の完全な清掃
2コットンロールによる防湿
3圧縮空気による十分な歯面の乾燥
4溶液による歯面の湿潤(自然に乾燥するまでおよそ3分湿潤状態を保つ)
とあります(もちろんこれは溶液であることを考慮しなければなりません)。

でもこれ、日本の歯科医院もしくは地域のフッ化物応用(フッ素塗布)で守られていますかね?だから「フッ素ちょんちょん」に効果はあるのか?そう思ってしまうのです。

それでは、日本のガイドラインによる塗布法術式についてご紹介します。

「う蝕予防の実際 フッ化物局所応用実施マニュアル」こちらは2017年日本口腔衛生学会が発刊した書籍です。ちなみに2007年フッ化物応用研究会が発刊した「う蝕予防のためのフッ化物歯面塗布実施マニュアル」も確認しましたが同様の記載でした。
1歯面清掃
2防湿
3歯面乾燥
4フッ化物溶液、ゲルの塗布((中略)3~4分間歯面が湿潤状態を保つようにする)
5防湿の除去
6塗布後の注意
とあります。

 knutsonによる塗布法原法や口腔衛生学会によるガイドラインも守られず「フッ素ちょんちょん塗布法」が世の中にまかり通っているというのは悲しい気がします。歯面清掃をして、防湿をして、乾燥をして、塗り始めてから3~4分ではなく、薬剤により歯面が湿潤状態であることが3~4分必要です。こう考えると洗口ではなく塗布法を実施したいのであれば、ある程度唾液で薄まることが排除できて、きちんと4分間薬液が歯面触れるトレー法が便利で有効なんだろうなぁと考えています。

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