むし歯の予防や治療は病因論から考えなければいけない。

 医療法人蒼岳会は、幾度となくう蝕や歯周病の再発を繰り返す日本式の歯科医療ではなく、スウェーデンの予防歯科の教科書を元に、病気の原因(病因論といいます)を大切に考え、あなたのう蝕や歯周病を根本的に解決しようとしています。

 原因論を軽視し、修復処置中心で発展していった日本の従来の歯科臨床はどうでしょうか?プラークコントロールが安定しないまま修復処置をする→プラークが除去されていないから再発する→プラークコントロールが安定しないまま修復処置をする→プラークが除去されていないから再発するの繰り返しで歯を無くしているのです。

 歯科先進国スウェーデンではどうでしょうか。プラークコントロールが良い状態で安定し、歯を守る行動(フッ化物の取り込みやデンタルフロスの使用、糖の摂取制限など)が身についてから、う蝕(むし歯)の修復処置に進みます。逆に言えば、歯を守る行動が身についていない状態で、修復処置には進みません。

 修復処置の前にプラークコントロールを確立させる意義について理解していただいたかと思いますが、皆さんここで疑問がわいてきます。

「むし歯、そんなに待って深くならないの?手遅れにならないの?」

 その答えは、スウェーデンの予防歯科の教科書「KARIES-SJUKDOM OCH HÅL」に記載がありますので、ご紹介しましょう。
 スウェーデン人の若年者(成人)のう蝕の進行スピードについての図です。エナメル質に最初の損傷が表れて象牙質に達するまでに8年。さらに象牙質の中央に進むのに3、4年かかると記載されているのです。

 つまり、プラークコントロールの改善を優先し、その後修復処置に進んでも何ら問題がないことがわかります。しかし、従来の日本の歯科診療に慣れている患者さんは「はやくむし歯を治してほしい」とおっしゃいます。私には「再発してもいいから、はやくむし歯を治してほしい」と聞こえてしまいます。歯周病も同様にプラークコントロールが良い状態で安定していなければ、また歯垢が石灰化し歯石になります。歯石を除去してもまた歯石がつきます。原因を取り除くことをせずに治療をしても、同じ環境であればまたそれが起こります。

本日のまとめ
 歯周治療・修復処置の前にはプラークコントロールの改善が必要不可欠

 次回はフッ化物応用(いわゆるフッ素塗布)について考えてみたいと思います。